たった一人に向けて書けばいい。その理由と方法

文章は、「誰に向けて書くか」で決まります。

読み手が曖昧なまま書かれた文章は、
誰にも届きません。

伝わる文章を書く人は、「たった一人」を思い浮かべています。


「みなさんへ」は、誰にも届かない

「市民のみなさまへ」
「関係者の皆さまへ」

こうした書き出しはよく見かけます。

間違いではありません。
けれど、これだけでは読み手の顔が見えません。

人々がどっと行き交うスクランブル交差点で
「通行人の皆さーーーーーん!!」と大声をあげても
見向きもされないのと同じです。

「それは誰に伝えたいことか」
読み手がぼんやりしていると
文章もぼんやりしたものになってしまうのです。


たった一人に向けて書く

文章を書くときは、
「この人に読んでほしい」と思う一人を思い浮かべます。

例えば

・子育て中で忙しい人
・平日は仕事で手続きに来られない人
・初めて制度を知る人

たった一人でかまいません。
むしろ、たった一人であるべきです。

その人の向こうには、同じような多くの人がいる。
伝わるように書くと、
同じ立場の人にも自然と伝わります。


「その人ならどう読むか」を考える

読み手を一人に絞ると、視点が変わります。

どんな悩みを持つ人か?
どんな不満を持つ人か?
どんな思いを持つ人か?
どんな願いを持つ人か?
どんな希望を持つ人か?

その人のことを詳しく思い浮かべるほどに
文章も具体的になるはずです。

次に、そのたった一人の視点で読みます。

「この言い方で分かるだろうか」
「どこで迷うだろうか」
「何を知りたいだろうか

書き手の視点から、読み手の視点へ。
シフトして考えられるようになったとき
その熱量が、読み手に伝わるのです。


まとめ

・「誰に向けて書くか」で文章は決まる
・「みなさんへ」は、読み手がぼやける
・思い浮かべるのは、たった一人でいい
・読み手の視点に立つことで具体になる
・全員に伝えようとしない

文章は、たったひとりの相手、
イメージできるその人に向けて書く。

それだけで、リアルな厚みが増し、言葉は彩りを帯びるでしょう。

まずはたった一人を、思い浮かべるところから始めてみてください。